日新まちづくり協議会の地域文化部会では、日新校区や佐賀の歴史について知識を深める歴史探訪活動をしています。
今年度は、2月19日にバスを貸し切り、サロンパス工場見学と中冨くすり博物館を訪れ、佐賀における薬の歴史について学んできました。当日は寒さこそありましたが、天候に恵まれ、穏やかな探訪日和となりました。
最初に向ったのは、鳥栖市田代にある久光製薬のサロンパス工場です。ここでは、案内の方から、この地(昔は「たじろ」と呼ばれていた)に久光製薬ができるまでの経緯について説明を受けた後、サロンパスやモーラステープの製造工程の工場見学をしました。説明の中で、江戸時代に田代と言う土地が、鍋島藩ではなく対馬藩の飛地であったことに驚かされました。また、久光製薬の起源が田代売薬にあることも分かりました。
続いて訪れた中冨くすり博物館では、現代医薬品に関する基礎知識、世界の医学・薬学の歴史、日本の薬の歴史と文化、生薬、そして田代売薬に関する資料が展示されていました。それらの展示から、対馬は稲作に適した土地が少なかったため、交通の要衝である田代を対馬藩の農作地として飛地にしたことも学びました。更に、対馬は大陸との交易が盛んで、その交易を通して薬に関する知識や生薬が田代に伝わり、そこから薬の行商が始まったとのことでした。
日本四代売薬の一つである「田代売薬」の発祥と発展の歴史について学ぶことができ、大変有意義な時間となりました。