「子どもへのまなざし運動」は、この運動を推進する上で大きな柱として、第4次教育振興基本計画において、佐賀市版「市民性をはぐくむ教育」を推進してまいりました。
佐賀市版「市民性」とは、「よりよい社会の実現のために、周りの人と積極的に関わろうとする意欲や行動力」のことです。また、「市民性がはぐくまれた人」のイメージとしては、「身近な集団に進んで参加し、自分の役割と責任を自覚した言動をとることができる人」などです。
そして、子どもたちの「市民性」を育むために、大人が子どもと関わる際の配慮点は下記の内容です。
(1)子どもはやったことがないことはできないし、教えられていないことは分からない。このことを大人は理解して子どもにかかわる。
(2) 子どもたちができる活動「出番」を意図的にたくさん創り出して、その中でいろいろなことを体験させる。
(3)体験させる時に大事なことは、それぞれに「役割」を持って活動させる。
(4)どんな些細なことでも、子どもたちの思いやりのある行動や頑張っている姿には、「ありがとう。」「よく頑張ったね。」「助かったよ。」などの「称賛・承認」(褒め)の言葉かけをする。
(中川副小学校「三重津かるた大会」)(川上小学校「川上校区歴史探検」)
大人の言葉かけや関わり方で、子どもは心の状態は変化します。子どもに対して、「どうして上手にできないの。」「だめだね。」など、叱責や否定的な言葉をかければ、子どもは「自分はだめな存在なんだ。」「いつも否定されている。」「自分を認めてもらえない。」という気持ちになり、心を萎縮させ、何事にも消極的になりチャレンジすることができなくなります。
逆に、子どもに温かなまなざしを向けて、「こうしたらできるよ。」「だいじょう。次はできるよ。」「気にしなくてもいいよ。」と、支持的な言葉をかければ、子どもの心は和み安定します。
この7年間、推進専門官として「子どもへのまなざし運動」に携わってきました。「出番」「役割」「承認」(褒め)の過程を繰り返すことで、子どもたちは自信を深め「コミュニケーション能力」「協調性」などの社会性を高めることができると実感しています。
また、「自分を価値のある存在として捉える」「自分に対して肯定的な評価を抱く」などの「自己有用感」「自己肯定感」も高めることができると思っています。
「不易と流行」という言葉があります。これからも「子どもへのまなざし運動」の目的や理念が、子どもたちの安心・安全を見守り、健全育成を図る実践の中で生かされ続けることを願っています。
(嘉瀬どようひろば:読み語り)(子ども劇場:子ども夜市)
佐賀市教育委員会 教育部 社会教育課
子どもへのまなざし運動・若者支援推進室
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