「ひと 鍋島」江頭嘉廣会長(鍋島まちづくり協議会)

鍋島公民館

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「ひと 鍋島」

「まちづくり協議会」が地域でどういう役割を担い、どういう人達が活動しているのかご存知でしょうか。今回は平成283月に発足した「鍋島まちづくり協議会(以下、鍋島まち協)」の三代目会長の江頭嘉廣さんにお話を伺いました。 

――「まちづくり協議会(まち協)」とはそもそもどういう組織なのですか。

江頭会長:まちづくり協議会とは、安全で安心なまちを維持するため、地域の様々な団体や人々をつなぐ役目をもった組織です。佐賀市では全32小学校区に組織されており、それぞれ公民館ほか、主に校区自治会、社会福祉協議会、スポーツ協会、学校、PTA、老人会(鍋島では"長生会"と呼ぶ)、消防団などと協力して活動しています。

――地域の「鍋島まち協」はどんな活動をしているのですか。

江頭会長:安全で安心なまちづくりや地域の活性化を目的とした活動は多岐にわたりますが、年間を通して一番大きなイベントは「養生ふれあいまつり」の開催です。昨年は10月20日に鍋島小学校で開きました。地域の方々による合奏や踊りなどの舞台発表や絵画や書道、生け花などの作品展示、屋外ではテントを張って地元農産物などの販売やゲームなどで大いに賑わいました。また、鍋島まち協の中には現在3つの部会「あんぜん互助部会」「すこやか元気部会」「ふるさと学習部会」があり、それぞれ自由に活動を企画しています。例えば鍋島で昭和28年に発生した大水害"28水"を忘れないための作文コンクールや、防災訓練、ニュースポーツ体験教室、鍋島の歴史を知る町中歩きなどは長く続いています。またこの4月からの新年度でも養生ふれあいまつり他を計画しています。

――そもそも「まち協」はどんな経緯で生まれてきたものですか。

江頭会長:まず、誕生の背景には少子高齢化や核家族化で地域の課題が多様化・複雑化してきたことがあります。それらの課題や活性化策に地域の住民が連携・協力して取り組めないか、というのが「まち協」の出発点です。佐賀市では平成25年に「佐賀市まちづくり自治基本条例」が公布され、住民主体型のまちづくりを進めるため、まず各小学校区ごとに「まち協」を発足させる計画をたてました。当時の自治会長を中心に様々な話し合いの場がもたれ、地域づくりの専門家や地域活動団体の代表などを招いた勉強会などが開催され、鍋島でまちづくり協議会が発足しました。誕生してこの3月から10年目の節目の年となります。今年は"緩やかなネットワークづくり"を基本方針として、関係期間、活動団体のさらなるご理解とご協力を得て、組織の強化を図り、多くのみなさんに喜ばれる活動をしたいと思っています。

――まちづくりの活動の中で課題と感じられていることはありますか?

江頭会長:今は共働き世帯が多く、「忙しくて地域の活動に参加する時間なんかない」とよく聞きます。ですから「まち協や団体に入りませんか?」、と声をかけるのも躊躇します。ただ、そうは言っても、地域活動をやってみたら知り合いも増えて、意外と面白いのも事実です。お互い顔見知りが増えるのは、安全なまちづくりにつながると感じています。

――「鍋島まち協」は、現在、どういう体制で運営されていますか。

江頭会長:「鍋島まち協」の現在の組織は、役員11人、構成団体18で構成されています。ただ、メンバーの年齢も70代が多いので、少しでも若い方や女性に入ってきていただきたいですね。毎月公民館で定例会をしていますので、ご興味のあるかたはまず見に来てください。見学も大歓迎です。

――江頭会長は、鍋島交通安全協会の会長もされていますね。こどもみまもり活動の緑色のベスト姿が私は印象的です。

江頭会長:以前に警察署や交通安全管理者協議会に勤務していたこともあり、お声がかかりました。そうした仕事の影響か、道を歩いているとどうしても子どもやお年寄りに目いきます。朝夕の通学時間帯の子どもたちの表情も気になります。昔は胸に名札をつけていましたから、名前で呼びかけたりしていましたが、今は個人情報の関係でしょうか、名札がないので呼びかけができない、少し寂しいですね。でも大きな声であいさつをしてくれますので、こちらも元気が出ます。

――最後に今後の豊富をお聞かせいただけますか。

江頭会長:私達の暮らす鍋島校区はまだ田園風景の残る本当に住みやすい、安全なまちです。それを守っていくために、われわれ「鍋島まち協」をはじめとして、地域の様々な人たちが活動しています。その多くの人たちが高齢者であるというのが一つの大きな課題です。地域づくりに少しでも興味のある方、「少し汗をかいてもいいよ」という方は、是非一緒にやりましょう。それぞれができることを、楽しくやっていければいい、と思っています。

――本日はお話ありがとうございました。 

                  聞き手:鍋島公民館館長 岸川いづみ

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