公民館の避難所開設・避難生活(リポート)

鍋島公民館

鍋島公民館

このたびの台風10号接近で、公民館は本庁からの情報や指示のもと避難所開設・運営を行いました。災害時の本庁と公民館の間の連絡と報告は専用タブレットで行われ、避難者数の報告等も2時間おきにこのタブレットで行います。今回館長は、鍋島公民館の避難所としての課題を探るため一夜を過ごしましたのでそのリポートも最後に記します。

【8月27日(火)】

  • 第1回災害対策本部会議(危機管理防災課)開催。今後1週間程度の台風動向の情報等を公民館も受理。

【8月28日(水)】※17時~ 自主避難所

  • 公民館が29日/12時~30日/終日の期間、臨時休館とすることが決定。
  • 公民館職員は貸館の予約をされていた方々へのキャンセルの連絡、自主避難所開設・避難者受入れに向けて受付名簿など準備。
  • 第2回災害対策本部会議 開催、最新情報を受理。
  • 第3回災害対策本部会議 開催、最新情報や注意事項等、庁内動画配信で把握。

【8月29日(水)】※10時~ 指定避難所

  • 危機管理防災課からの最新情報受理。
  • 職員は8時過ぎに出勤、備蓄倉庫からの必要品の取出しなど準備。
  • 避難者到着、順次受付け等対応。
  • 避難者は5名(内4人が宿泊)、時折様子を伺いながら湯茶サービス。
  • 19時半、本庁より指定避難所開設時の当館の担当者二人が夜間交替として来館、職員から業務引継ぎ。

【8月30日(木)】

  • 高齢者等避難は8時半をもって解除することが決定され、7時半に連絡受理。
  • 8時半、本庁職員から公民館職員に業務引継ぎ、備品などを確認・再格納。
  • 8時半過ぎ頃、4人の避難者は全員退館。
  • 職員により館内清掃。

※館長の公民館避難リポート

鍋島公民館の館長として着任後初めての自主避難所開設、指定避難所開設となり、避難された住民の方の様子を伺いながら、一夜過ごしてみました。

避難者の方は到着後、受付で簡単な手続きを済ませ、和室の低座椅子に腰掛けて、歓談しながらゆっくり過ごされていました。夜は和室に敷いた座布団(またはエアベット)+非常用の毛布で就寝。枕は公民館にはないため座布団等で代用。食事やお茶は持参されたものを和室で飲食されています。用意していた佐賀市の防災食(お湯を入れるだけのご飯のアルファ米とビスケット)はあまり人気がない。和室はふすまで2部屋に仕切るようになっており、就寝は各部屋に2人ずつ。人数が多い場合は少し窮屈ですが3人ずつで共有をお願いすることになるかもしれません。

もう一ヵ所は公民館で一番広い集会室です。今回この集会室に避難者はいませんでしたが、私はここで一夜を過ごしてみました。避難場所の標準の区分けスペースはひとつが大体2mx2mと言われています。タイルマットを9枚ずつ敷き詰め、通り道も設けると16スペース作ることが可能です。1スペースにタイルマットを敷きエアベッドを設置。ベッドは高さが30センチ、空気の出し入れは本体に内蔵されたポンプから電源コードをつなぎ自動で空気の出し入れができるもので、約1分ほどで完成。これまで様々な災害ベッドを見てきましたが、このベッドは生地と作りがしっかりしており、空気も高速でしっかり入ります。寝心地もまずまずで熟睡できました。シングルとダブルがありますが、寝返りごとに揺れもあるためダブルは添い寝する親子などがいいかもしれません。

【まとめ】避難所で必要不可欠なものはまずは「トイレ」と「寝場所」と思います。この点公民館は冷暖房完備で、手すり付トイレも洋式・和式があり、避難時のシャワーもあります。設備に不具合がなく、20人までの避難者であれば、、、問題ないと思われました。課題としては、1~2日間と言えども限られたスペースでの日中の過ごし方。体を動かすことも殆どなく、和室で寝っ転がることは(出来なくはないが)どうも躊躇される。何か人目を避ける低いパーテーションでもあればいいかもしれない。またTVもなく手持無沙汰の感はぬぐえない。何かちょっとした娯楽や体を動かすようなこと、静かに横になりたい人とおしゃべりなどしたい人の居場所分け、また調理室も活用できないか等々。すべて100%とはいきませんができることは検討していきたいと思います。

公民館も非常時のための備蓄は多少あります。しかし防災の基本はあくまでも「自助」。個人でできることはできるだけ平時から備えておきたい。

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