7月14日(土)に、まちづくり協議会子ども育成部会と子ども会の共催で「KYT(危険予知トレーニング)と安全啓発講習会」を実施しました。当日は、子ども17人、大人19人、計36人が参加。それぞれ3グループずつに分かれ、学習しました。
去年までの講習会と異なったのは、子どもは「危険予知トレーニング」、大人は「安全啓発講習会」と分かれて学習し、途中に、子ども、大人それぞれが学んでいることを発表しあう工夫がなされていたことです。
講師は、北川副子ども会の福田英典会長、野中進副会長、そして春日子ども会の畑島秀樹副会長が務められ、春日子ども会古川芳男会長の進行で進められました。
まず、春日まちづくり協議会の子ども育成部会会長の平野正男さんから、"本日のKYTと安全啓発講習会の意義"を話された後、早速、野中さんより簡単なゲームでアイスブレイク、じゃんけんを取り入れたゲーム、「ブンブンブンはちがとぶ」のゲームで会場全体が一気に和やかな雰囲気になりました。
まず、子どもたちの「KYT(危険予知トレーニング)」の様子をお知らせします。
そこでは、子どもたちがキャンプで炊飯の準備(まきづくり等)をしているイラストを使って考えていきました。
まず ① このイラストを見て、どんな危険が潜んでいるかを考えました。
次に ② ここのところは、〇〇が△△になっているので、▢▢▢で危ない。 の形で文章にして表しました。(文章に表すことは、
大変難しく、子どもたちは苦労していました)
次に ③ ②の中で、特に危険のポイントになっているところに◎をつけて、みんなの前でグループごとに発表しました。
次に ④ この危険ポイントについて、「わたしなら、こうする。」と考えました。
最後に⑤です。 「わたしたちは、こうする。」ということを考え、スローガン(目標)にして、発表しました。
三つのグループの発表を聞いていると、子どもによってそれぞれいろんな考えがあるなあと思いました。また、危険個所について、どこをどうすればよいのか知らず知らずのうちに真剣に考えているので、これが「危険を予知する力」を身に付けていることにつながっているのだと実感しました。
次に、大人の「安全啓発講習会」の様子をお知らせします。
まず、「安全教育の意義とその方法」のプリントを7分程度で読み、各班で要点を5分程度で広用紙にまとめました。ここでの要点は、「子供たちの安全を守るため、指導者(大人)側は協力し合って、安全に必要な指導を行い、子どもたちが自分自身で安全に身を処することができるような能力を養うことが必要である。」ということです。
かなりの量の文章を短時間で要点だけをまとめることはとても難しかったですが、ポイントだけを重点化して発表しているグループもあり、大変参考になりました。
次に、「リスクとハザードについて考えてみよう」のプリントも短時間で読み取り、要点を広用紙にまとめました。しかも今回は、"子供たちの前でわかるように伝えよう"という条件がついており、どのグループもかなり苦労していました。
「ハザード」とは「危険性」のことであり、「リスク」とは「危険性によって生ずる恐れのあるケガや疾病の発生する可能性」のことです。 例えば、ライオンは固有の危険性を持っているので「ハザード」にあたりますが、ライオンの傍に人がいなければ襲われる危険性はなく、ライオンによって負傷する「リスク」もありません。しかし、ライオンの近くに人が居れば、襲われる「リスク」はグーンと高まります。つまり、「ハザード」と「リスク」は明確に区別して理解していくことが大切です。
子どもは、遊びを通して冒険や挑戦をし、心身の能力を高めていくものです。しかし、冒険や挑戦には危険性も内在しています。だから、「ハザード」と「リスク」をきちんと予測し、事故を未然に防ぐ対策を考えておかなければなりません。
そのほか、「ハインリッヒの法則」、「ヒューマンエラー」の問題、「危険予知訓練」「ゼロ災運動」「指差し呼称」の問題、子ども会KYT(危険予知トレーニング)が生まれた背景などを学習しました。
今回は、子どもの「KYT(危険予知トレーニング)」と大人の「安全啓発講習会」と二つの構成で講習を実施しました。大人は指導者として大きな流れをしっかり把握しておくこと、子どもは「危険を予知する力」をしっかり自覚し学習していくことが必要であると改めて感じました。参加された方からは、難しいところもあったけど中身の濃い研修会であったと好評でした。