循誘校区人権学習会
循子と誘子 人権について語る
誘子
「あら循子さん。ちょっと公民館の『人権学習会』に行って来た帰りよ」
「ジンケンガクシュウカイ!?なんか難しそうね」
誘子
「私もそう思っていたけど、『江藤新平の人権思想』っいう内容だったから、佐賀に住む者として知っておいた方がいいかな、と思って」
「そうだったの。講師は学者さん?」
誘子
「森 周蔵先生。ほら、元高校の先生をなさってて、郷土史家の。じゅんゆう歴史クラブも指導なさっている森先生よ」
「ああ、森先生ね。知ってる知ってる。で、どんな話だった?」
人権は社会の文明のバロメーター
誘子
「うん。聞いて良かったわ。最初は『人権は社会のバロメーター』というお話だったわ。ほら、最近、死刑の判決を受けた人が実は冤罪だったということでやり直し裁判が行われるみたいは報道があるでしょ?『人権』って、昔だけではなく、今も暮らしに直接関わる大切な問題だなと思ったの」
「憲法にも『基本的人権の尊重』ってあるものね。当たり前過ぎて、あまり深く考えたことがないかも。これって、ずっと昔からあるんじゃない?」
誘子
「明治になってからみたいよ。その基礎を作ったのが、江藤新平さんたちだって。外国に行ったこともないのに、佐賀で学びながら素晴らしい制度を作り上げていったそうよ」
人権を守る裁判制度から囚人の保護制度まで
誘子
「江藤新平さんは、今の裁判制度の基礎をなんと150年も前に考えていたらしいわ」
「裁判制度って例えばどんな?」
誘子
「例えば、裁判は『判事』『検事』『弁護人』の三者で進めるとか。ほかには『三審制度』とか」
循子
「サンシンセイド!?」
誘子
「ほら、裁判は、地方裁判所、高等裁判所、最高裁判所と、裁判は三つの裁判所の順で審査される制度のことよ」
「へぇ!今の裁判制度そのものじゃん!そんなことを考えつくなんて凄いね、江藤新平さん。じゃ、大活躍してどんどん出世したんだろうね。」
佐賀戦争の首魁者として梟首の刑に
誘子
「それがねぇ。江藤新平さんの司法卿在任期間はたったの11ヶ月。その後、いろんなことがあって、結局、佐賀の不平士族が起こした騒動に巻き込まれ、最後は梟首(きょうしゅ)といって晒し首の刑で生涯を閉じるの」
「ああ知ってる。以前『佐賀の乱』って呼んでたヤツね。その後、検証がすすみ、関わった人々のいろんな思惑で起こった事件みたいな事実も出てきて、教科書にも『佐賀戦争』と併記されはじめたそうね」
誘子
「そう。そして森先生は、講演を『人権・民権がどうあるべきかは、常に国民が関心をもって考えるべき。みんなで話し合ったり行動に移すなど、能動的な姿勢が大切だ』と締めくくられたわ」
「今、衆議院議員選挙があっているものね。私たち一人ひとりが、しっかり監視していかなきゃね」
今回の人権学習会
テーマ:江藤新平の人権思想
日時:令和6年10月23日(水)10:00-11:30
場所:循誘公民館大会議室
講師:森 周蔵さん(元高校教諭・郷土史家)
主催:循誘校区人権・同和教育推進協議会