嘉瀬川に合流する川の一つに熊の川川という名前の川がある。
その川に沿うようあるのが熊の川地区で、さらに登って行くと戦国武将、神代勝利の築いた山城跡がある。
熊の川地区の里山も自然豊かで吹く風が心地よい。
この地区に、シャクナゲが咲いている期間だけ解放される庭がある。
過疎化で人が少なくなった地区が少しでも賑わえばと思い立たれ、ご夫婦が三年前から始めたそうだ。
亡きお父さんが山に入り少しずつ石楠花を採取し苗を育て大きく育て、庭の桜やツツジ、植えられている草花とピッタリ馴染んでとても美しい風景になっている。
さらに奥に進むと、あずまやが見えてきて中に入ると、庭の草花を鉢に入れ、亡きお母さんが詠んだ俳句を飾ってあるのだが、とても情緒豊かな気持ちなる。
庭の奥のあずまやが雰囲気ある佇まい
真ん中の俳句はお母さんが詠まれた句。
よごんだ砂糖(ゆがむ砂糖)の言葉の表現にクスっとしてしまう。甘い思い出はお父さんとの思い出なのかな。
ここの御主人が興味深いお話しをしてくださった。
「この集落の上には山城の跡があって、熊の川城と言う名前で、戦国武将神代勝利が作ったていうてね。
ほかにも、源平の合戦で敗れた平家の落人の隠れ里やったて言う人もおって、ここの集落の人達の苗字はみんな違うとよね。
普通は同じ苗字の集まりの家が数軒あるんだけどね。ほんなごとかもしれんね」
隠れ里の庭を訪ねたような、秘密の庭園をのぞいた気持ちになった。